白内障手術始末記

今月あたまに白内障の手術をしました。
中一日明けての両眼です。50代男性でございます。おそらく一生に一度の事だろうからブログに記録しておこうと考えた次第です。

白内障経過

2年ほど前のある時からどうにもスマホが見にくいなと思って試しに片目づつ見てみたのです。するとなんと右目だけが異常に見えない。
僕は強度の近視でメガネ無しでは日常生活に支障が出るレベルでした、が、さらにもう一段階悪くなっていたのです。右目だけ。
なんだこれと不安になったことととにかくメガネの度がずれてものが見にくくなってしまったのでなんにせよ近所の眼科に行ったわけです。

診察の結果白内障と診断されました。
まだまだどんどん悪くなるよと先生に言われました。メガネは作り替え続けなければならないし矯正にも限度があるのでどこかのタイミングで必ず手術しないとならなくなるけどいつする?と言われたのですが突然言われてもその手術がどんなものか知らないし、眼にメスを入れるというのはいい歳しててもさすがに怖いし、とにかくギリギリまで頑張りますとその時は言ったわけです。

定期検診にはしっかりと行って、メガネの限界が来るたびにメガネを作り替えて、となんとか凌いでいたのですが昨年の春に作ったメガネがもはやマックスでもうこれ以上のレンズがない状態となりました。
まぁそれでなんとか見えてはいたけれどやはりそこからまだまだ視力は悪くなる。しかも小さなライトとかはボボボと綺麗に三重に見え、さらに夜はあかりの周りに虹のような輪っかが見えだしておまけに視界も曇り出したのです。その頃になると左目も白内障が進行しだして見えにくかったし、こりゃま限界だわと昨年暮れについに手術を決心したのでした。

高額療養費制度と限度額適用認定

去年の年末、十二月の頭くらいに先生に、も、さすがに限界ぽいので手術したいですと伝え最速いつ予約取れますかと聞くと2月の最終週と。だけど両眼やるのならひと月に色々まとめた方が良いからと言われなんのこっちゃよくわからんけどじゃ3月にという事でこの日程にしました。

後々調べると高額療養費制度という医療費が高額になった時に還付を受けられる制度があるのですが、その制度が1日から末までのひと月単位なのでした。
また普通に高額医療の還付を受けるとしたなら一旦支払いをしてその後還付される方式なのでその間なかなか辛いのですが事前に限度額適用認定というのを受けておけば還付されるべき分、すなわち本人負担分を超えた金額は支払わなくても良いので手元にお金が少なくても安心という仕組みを紹介してもらったのでそれを利用させていただきました。僕の場合は区分ウに相当し負担は8万円くらいでした。
結果としては同じなのですがその時の負担は少なくできるというわけです。

あと、僕は医療保険に入っていたので両眼手術で20万円の保険が下り、なんだかんだでトータルプラスになりました。貧乏なので助かりました。

プロローグ

そんなこんなでめでたく手術の予約をして病院で手術までの日程とか注意事項とか書かれたいわゆる手術のしおり的なものをもらいました。
ただなんでしょうか、ここの先生がそういうタイプだったのか僕自身が知識なかったせいなのか、この時もらったしおり以外のお話しはほとんどなかったのです。なので眼内レンズに単焦点と多焦点がある事とかどこにピント当てるとか度の強さとかについてのお話しはなく全ては先生に決められて、全てが終わってからネットで何がどうなってるのかを自分で調べて色々知った次第です。 で、僕のレンズはどうやら単焦点の遠く合わせで近視は0に矯正されてるレンズでした。近くは全然見えません。老眼鏡必須になってしまったけど、ま、これでいっかって感じです。普段メガネいらんようになったし。

流れとしては12月に血液検査とか眼球の検査とか、いわゆる事前検査をしました。その後2月に一度検査と診察をしてもう次はなんと手術です。そこで先生がどういう手術なのかというのを具体的に教えてくれました。
白内障の手術とはどうやるのかとかなんて普通の人は知らないと思います。ていうか僕も手術に至るまでに2年あったにもかかわらず、眼になんか人工のレンズ入れるんだなくらいにざっくりとしか知らなかったです。が、しかし、これ具体的に聞くとあ、ヤバ、と普通に思うやつでした。

黒目に小さい切れ目を入れてそこから細いなんらかの器具を入れて水晶体のおもての殻を切除し、超音波で水晶体の中身を砕いて吸い取りそのあと人工レンズを挿入し固定する、って、しかもそれ両眼やるんですよ。具体的に知れば知るほど嫌になるくらいに怖いのですが時は淡々と過ぎてあっという間に手術の日がきてしまったのです。

白内障手術いよいよ本番

手術3日前から1日4回抗菌剤の目薬を自分でさします。当日は起きたら2時間おきにこの目薬をさします。さしまくりです。
指定された時間に病院に行くと1時間かけて15分おきに3種類の目薬をさされます。ひとつはお馴染みの瞳孔開くやつ、もうひとつは痛み止めだと言われましたがあとひとつはなんだかわからないけどもうどうでもよくなっていました。とにかく不安しかなかったです。

時間になったので看護婦さんに言われるままに控え室に導かれ手術用の服に着替えさせられ考える間も無く呼ばれるがままに手術室に入りました。歯医者の椅子みたいなやつに座らされリクライニングされます。まな板の鯉とはまさにこの事。ここからは流れるように作業が進められます。

首を少し傾けられ眼球の消毒。
おそらく消毒の液体と思われるヤツをドバドバ眼にかけられぐりんぐりん眼球を直接洗われます。沁みます。沁みてヒリヒリします。誰だ白内障の手術なんて全然痛くないとか言ってたの。ズキンとするような痛みは無いけど眼球を直接触られまくってる圧迫感というか異物感というか中々に辛い。しかもこれまだ消毒してるだけだというのがホントうんざりさせられますが言うてるまにシートかけますよと言われて目を開けさせられたまま粘着性のシートを貼り付けられ手術する部分だけ開かれます。

そして眼球に強い照明を当てられその光の真ん中を見続けるように言われるのです。この時初めて、そうか、麻酔で見えなくして手術するわけでなく強烈な光で見えなくするのね、と知ったのです。ていうかね、端々はぼんやり見えてしまいます。なんらかの金属の器具が目の端に見えたりするけれど真ん中は光で見えないからオッケーよ、ってそんなわけあるかいっ!怖いわ。しかもぐりぐり眼球を直接触られている感はずっとあります。痛くは無いんですけど圧迫感は強めです。しかもね、あゝ今水晶体が砕かれているのかなとか破片を吸引しているのかなとか、絶対今考えたらあかん事が頭の中を駆け巡るわけです。さらに白内障手術マシーンの電子音とかAIの女性の声で聴こえる英語のメッセージとかが不安を駆り立てまくってくれるのですよ。

ま、さまざまな不安に包まれながらも言うて15分ほどで終わります。最後に先生が問題なく終わりましたよと言ってくれる声に、緊張して知らぬ間につっぱらかっっていた全身の力が抜けました。

幾人かの看護婦さんに抱えられるように手術室を後にして隣の控室のソファに座らされしばらく休憩させられ術後の診察に備えます。
術後の診察で手術跡を先生が確認して問題なくきれいにできてますよと告げられその日は終わりでした。炎症を防ぐ目薬や抗菌剤の目薬、計3種もらって帰宅しました。

エピローグ

手術したその日はテレビや読書はせず安静にして下さいと言われていましたがそんな事をする気力などもちろんもう無くて帰るなり布団に入ってやすみました。だって翌々日には左目で同じ事しますからっ。


術後2.3日はちょっと目の中がゴロゴロしたりなんか微妙な違和感があったりしましたが今はもう元通りです。
視力は1.0くらいともちろんよく見えるようにはなったのですが何より視界が鮮明になったのが驚きです。ちょっと全体青白く見えるようになったかなと思いますがそんな事はすぐ気にならなくなりました。

ただ眼内レンズの性能上、近くは全く見えなくなっていたのでとりあえず100均に行って+2.0の老眼鏡を買ってきました。これでスマホも鮮明に見えるようになりました。

あと慣れるまで目が回ります。急に度の強いメガネに変えた時みたいです。物の見え方が変わるので脳がバグるんでしょうね。慣れていくしか無いです。

細かな気になる事はそりゃあるけれども、なんにせよ元が全然見えなくなっていたものがよく見えるようになったので、今は白内障手術してよかったなと思っています。

あと、送り迎えとか全面フォローしてくれたうちの嫁には死ぬほど感謝しております。


以上、拙い文章で恐縮ではございますが、こんなものでもどなたかのなんらかの参考になれば幸いです。